はてな題詠「短歌の目」12月
1. ファー
ふわふわのファーの帽子をかぶりたい メーテルみたいに流し目するの
2. 密
密やかに愛を育み密やかにさよなら告げた 誰も知らない
3. LED
LEDライトは照らす 白々と明るい部屋は逃げ場がなくて
4. グレーゾーン
グレーゾーンにしておきたいの ほんとうは好きな人とかいないんだけどね
5. くま
大きくてちょっと太めで優しくてくまさんみたいな私の彼氏
6. 石
教室のすみで小さく硬くなり石ころみたいにやり過ごしてた
7. イエス
「イエス!」「っていきなりなんで横文字で返事をしたの」「そんな気分で」
8. 鐘
鐘が鳴る すべてを包みこむように すべての音をかき消すように
9. 氷
あなたとの別れ話が長引いて氷はぜんぶ溶けてしまった
10.【枕詞】降る雪の
降る雪の白さの中に消えてゆく 背中はたぶん追いかけないよ
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短歌の目、今月でいったんお休みなんですね。運営のid:macchauno様、お疲れ様でした&このような場を作ってくださってありがとうございました。参加したばかりで楽しくなってきたところだったので、ちょっとさびしいですが、もしも次の機会があったらまた参加したいです。
今回はなんだか恋愛っぽい歌が多くなってしまいました。私は短歌を作る時は、お題の言葉を見てぱっと思い浮かんだイメージをただただ57577の形に落としこむ、って感じなんですが、今月のお題はそういうイメージを喚起させるものが多かったみたいです。
ちなみに、1の短歌は、なぜか父が昔、私の誕生日にメーテルみたいな帽子をプレゼントしたい、とか言いだして、デパートでファーの帽子を探したことがあって、結局いい感じのがなかったので別の物をもらったんですが、おそらく父は子どもの頃メーテルが好きだったんでしょうね。そんで娘に勝手に自分の理想を押し付けようとしてたわけですが、この短歌の中で、それを引き受けてあげた感じです。でもかわいいよね、メーテル帽。今になって欲しい。
あと、5の短歌は、私がくまさんみたいな人が好きなので。なんか、あったかい感じで。