サザンオールスターズ LIVE TOUR 2015 「おいしい葡萄の旅」 感想


先週の日曜日はサザンオールスターズのライブに初めて行ってきた。(@ナゴヤドーム

ものすごく長いキャリアで、今からぜんぶの音源を片端から聴くのは大変なので、ネットに誰かがアップしたライブのセットリストを見て、プレイリストを作って予習して行った。
サザンはシングルが全部アルバムに収録されているわけじゃなく、しかもそうゆうシングルのカップリング曲(!)をライブでやったりするから、予習も結構大変だ。
サザンファンの夫がCDをほとんど持っていたのでよかった。

でも桑田さんのMCで「セトリがネットに流出している。こっちは一生懸命考えてるってゆうのにサ!セトリっていうのはセットリストのことね。どっかの家具屋じゃないよ。大塚家具じゃないよ、ニトリだよ…」みたいなことを言っていたので(二言三言四言くらい多い、楽しいおじさん)、ちょっとごめんなさいって思った。

それでもやっぱり初心者は、予習してってよかったよ…!
存分に楽しむことができた。


ライブでは全曲スクリーンに歌詞が映し出されて、それもよかった。
以前はなかったらしいけどby夫。
桑田さんの歌詞は絶妙に音楽にのっていて、そんな歌詞を書けるのが桑田さんの才能なのだけど、耳だけで聴きとるのは難しい。

歌詞を見て初めて、あらこんなことを歌っていたんだと気づいて改めて感動したり、桑田さんが歌詞を間違えているのがわかってほっこりしたりした。

例えばニューアルバム「葡萄」収録の「はっぴいえんど」とか、気づかなかったけど(普通気づくか…私歌詞カードほとんど見ないので…)ものすごい夫婦愛の歌だった。

時は流れ 互いの良いところ
駄目過ぎるところ 知り抜いて

旅の途中で羅針盤キミに預けたら
船は何度も荒波超えて Oh...
夢と希望を五線譜に書き込んだら
土砂降りの雨降る嵐の後で
昇る朝日がボサノヴァを歌っていた


比喩の宝石箱や…!


すこし前、シーナさんが亡くなった時、なんだかすごく悲しかった。
シーナ&ロケッツをきちんと聴いたこともないくせに。
夫婦でロックしてるって、なんてすてきなことだろう。

まだ日本にはこの夫婦もいたんだった。
当たり前のように自然に、ずっと第一線で活躍していた。

ライブ中にそんなことを考えて、ひとりふるふる。


昭和な世界の色恋の歌とか、下ネタとか。
かと思えば王道のすごく素敵な海辺の恋の歌とか。
社会風刺とか、人間賛歌とか。

サザンってほんとうに色んな曲がある。

往年の名曲「真夏の果実」や、大好きな「栄光の男」は、涙が出た。
※「栄光の男」については前にちょっと書いてます。anohika.hatenablog.com

昔の曲でも、今の曲でも、こんなにも気持ちを盛り上げてくれる。
まだまだ、現役だ。


サザンのライブに来てる人たちは40代、50代が多いように見えた。
普段はみなさんちゃんとした大人なんだろうけど、この日ばかりははしゃいでた。
きっとこれまでの人生をサザンの歌と共にずっと過ごしてきたんだろうな。
歌と共に、頭の中に色々な人生の場面が思い出されるんだろうな。
夫婦で来てる人も多くて、ライブ会場までの道のりを手をつないで歩いていたりした。

それにしても、ライブTシャツ着用率の高さよ。
サザンのファン層はきっとお金を出してきちんとCDを買う人たちだから(グッズも…!)、サザンは音楽業界にとってはきっと宝物みたいな存在だろう。
村上春樹が出版業界の宝物なのと同じように。

そういえば、日本のこんなメジャーなアーティストの、抽選に当たらないと来れないようなライブに来たのは、高校生の時のゆず以来である。(その昔ゆずっこだった…)
ドームを埋める人の多さに圧倒されたし、すべてにお金がかかってる感じがした。


桑田さん、59歳で、病を克服した後とは思えないくらい、よく伸びる声。体もよく動く。
コロコロ変わる表情が、すごく魅力的なおじさんだった。

でも夫は、前に観た時よりも元気がなかったって言ってた。
騒動もあったし、不適切な表現(?)のないよう色々気をつけていたのかもね。

そういえば去年ローリングストーンズの来日公演を観に行った時も、私は70歳のミックがまだこんなにもロックしてることが嬉しかったけど(キースはちょっとよろよろしてた…)、前回の来日も観に行った友達は、年とったな、って切なそうにしてた。

桑田さんも、他のサザンメンバーも、ずっと元気でいてほしいな。
そしてまたライブを観に行きたいな。
心の底からそう思った。


***


ライブが終わって飲んでホテルに戻って(泊まりがけでのライブ参戦)、はたと思い出す。
きょうのヨルタモリ、録画し忘れてた!
甲本ヒロトがでるんだった!

最後のほうだけちょっぴり観ることができた。
ぎょろぎょろした目で挙動不審気味なヒロト
事前に話題になっていた、リンダリンダのプチセッションも観ることができたので、よかった。

でもブルーハーツはもう終わっていて、ヒロトだって今もクロマニヨンズでずっとロックしているんだよ。
ちゃんとクロマニヨンズの話もでたのだろうか。
リンダリンダばかりじゃちょっと寂しい。

そんなことを言ってる私もクロマニヨンズはあまり聴いていなくて、もう終わってしまったハイロウズを心の底から愛しているんだった。
だからリンダリンダばかり言っている人たちと結局はそんなに変わらない。

続けることってきっと、すごく大変なことなんだろう。

ロックの人たちみんな、ずっと頑張っていてほしい。(よくわからない終わり方)