眠気の中で(ただの日記)
昨日は夫とけんかして、夕飯の時はふたりとも無言だった。
どうしてこうなったのか、どうすればいいのか、頭のなかでぐるぐると考えながら、ふとソファテーブルに目を向けると、修造が微笑んでいる。
気が散る。
私につられ、夫もそちらに目を向けた。
きっと夫も気が散っているけど、無言を貫いている。
「修造もこう言ってることですし、マアマア」などと言えるような雰囲気ではなかった、昨日は。
こんなけんかは久しぶりである。
私は落ち込んだ。
考えの結論が出ないままベッドに潜り込んで、そのまま寝てしまった。
ずいぶん時間が経って、夫がベッドに入るごそごそとした音がして、ぼんやり目を覚ます。
「うーん、ごめんね」
眠気の中で、とりあえずその一言を絞り出したけど、返事はなく、また気を失いかけたけど、ピッとリモコンで電気をつける音がして、またうっすらと目を覚ます。
「ごめんね」
そんな声がして、無理やり目をこじあけたら、夫がどうやらこちらを向いている。
うむ、という感じで頷いて、たぶん握手をしたんだけど、私はやっぱりそのまんま寝てしまった。
朝になったらもういつもと変わらない雰囲気だった。
「昨日、むにゃむにゃしてたけど確か、仲直りしたよね?」
「うん、したよ〜。やっぱり寝てたんだ。」
そう聞いて私はやっとほっとした。
眠かったから、あれこれ考えられなくて、ただ一言「ごめん」と言えたのが、よかったのかもしれない。
そして眠かったゆえ、苦しそうに言葉を絞り出すその感じに、夫も哀れをもよおしたのかもしれない。
ごめんねを受け止めてくれる人でよかった。
むこうもごめんねと言ってくれる人でよかった。
今日は数日ぶりの、いい天気だ。
出不精の私だけど、太陽に当たりたいという欲望はあるので、最近、アウトドア用の小さな椅子を買った。
ベランダde日光浴用。
さっき、初めて使ってみた。
いい天気とはいえ、今日は寒いので、5分くらいしかいられなかった。
でもなんだか気分が晴れ晴れした。
早くまた、気温が上がるといいな。
そしたら、15分くらいは、いたい。
お茶も持ち込んで、本を読みたい。
私は外で体を動かすんじゃなくて、外でじっとしていたいのだ。
お花見とか、ピクニックとか、そんなことが好きなのだ。
何かのエッセイで、大きな公園のそばに住みたいと言っていた江國香織さんの気持ちがわかる。
公園はないけど、日当たりの良いベランダがあったので、まあよかった。