ママの膝があいて、よかったね
男の子の双子ちゃんを産んだ友達がいます。
この間帰省した時に、久しぶりに会いに行きました。
友達とは2人でも会っていたけど、双子ちゃんに会うのは1年ちょっとぶり。
その間に双子ちゃんは幼稚園に入っていました。
前に会った時はまだよちよち歩きだったのに、もう、目を離したすきにスタタタタタター!と走っていってしまうくらいに、しっかりとした足取りになっていました。
子どもの成長は早い。
ちょっと気になったのは、前に会った時と、双子ちゃんの性格が逆になったみたいに見えたことです。
前は、たけしくん(仮名)は甘えんぼでいつもママにくっついていて、さとるくん(仮名)は独立心がつよくて人見知りしない、というイメージだったのですが、今回は、家の中でたけしくんは一人で楽しく遊んでいて、さとるくんはずっとママの膝に乗っかっているような感じでした。
友達に聞くと、幼稚園に入ったら、たけしくんは人見知りしないでどんどん人の輪に入っていけるけど、さとるくんは考えすぎて一歩遅れてしまうところがあり、それから前より甘えるようになったそうで、友達も心配しているようでした。
双子だと、比べられてしまうから。
幼稚園も、社会なんだなあ。
今までとはすこし、違ってしまうんだなあ。
心配だろうなあ。
そんなことを考えながら家に帰って、先日母と電話した時に、その話をしました。
私が、「心配だよね。」と言ったら、母から出てきた言葉は、意外なものでした。
「よかったじゃない。
お母さんの膝が、あいたんでしょ。
だから今、甘えられているんでしょ。」
…実は、私の母は双子なのです。
一卵性双生児で、母は姉でした。
また、その上にお姉さんもいるので、三姉妹のまん中です。
お姉さんはおこりんぼで、妹さんは泣き虫で、まん中の母は手のかからない子どもだったそうです。
小さい時、お姉さんはお父さんと手をつなぎ、妹さんはお母さんと手をつなぐので、母はいつも定位置が定まらず、ぶらぶらしていたそうです。
でも、ずっと寂しかったそうです。
寂しかったけど、ずっとがまんしていたんだと。
「たけしくんは、ずっとお母さんに甘えられていたから、情緒が安定していたんでしょ。
だから、幼稚園でも人見知りしなかったんでしょ。
さとるくんは今まではがまんしてたけど、今はお母さんの膝があいたんでしょ。
だから、よかったじゃない。」
母はそんな風に言って、私は目からうろこが落ちたような気がしました。
そっかー、よかったのかあ。
私はなんだかほっとして、さとるくんにもっともっと甘えてほしいと思ったし、友達にも、心配することないって、双子経験者が言ってたよ。と伝えたくなりました。
繊細な問題だと思うし、子育て未経験の私が口出しをしていいことなのかわからないですが、次に会った時にまた、色々な話をしたいなあ。
そして、色んなものの見方があるんだなあ、とも思いました。
色んな人に話を聞くことが、大事なんだなあ。
きっと。