昔の音楽


ナンバーガール再結成というニュースに、何かコメントを寄せるほど私はナンバーガールを聴いていない。
高校時代は音楽に疎く、大学に入ってから音楽サークルの人たちに教えてもらって知って、その時には既に解散していた。音源をもらって聴いたりはして、1stは結構好きだったけど、それ以降はそんな好みじゃなかった。
でもとにかく周りの人たちに熱狂的なファンが多くて、文化祭などで誰かがやったコピーバンドは異様な盛り上がりを見せていたし、当時わりとみんなブログをやっていて、ナンバガのフロントマンの人の文体みたいなものにめちゃくちゃ影響受けてる感じの男子とかもいた。

再結成で盛り上がってる雰囲気、楽しそうだなーと思って、何気なくOMOIDE IN MY HEADを聴いたら、バンドそのものへの想いじゃなくて、ほんとうにタイトルそのまま、私がナンバーガールを知った、多少なりとも聴いていた、当時の想い出が渦のように頭の中に押し寄せてきて苦しくなった。そしてもうあまり聴きたくないと思った。やっぱり、それほど力のある音楽なんだ。

なんでだろう、昔自分や誰かがめちゃくちゃ好きだった音楽って、今はもうあまり聴きたくない。私は昔のことをあまり思い出したくないみたいだ。昔って言っても12,3年くらいか。ってそれだいぶ昔だよ。ずいぶん遠くまで来ちゃったな。その頃の思い出は、濃くて濃くて濃くて、そんで無様で、恥ずかしくって。色んな経験をして、その度に自分を上塗りして、塗り重ねて、今に至る。何とか普通の形を保ってる。原型は、もう忘れてくださいなって感じ。

ロックは初期衝動。ほんとにそうだな、なんかわかる気がする。でも曽我部恵一さんとかくるりとかは、今でも新しい姿を更新し続けてくれているから、ずっと聴ける。音楽が好きで、誠実に続けてくれていることへの安心感。私も変わってゆくし、好きな人たちにも変わり続けて欲しい。ふとそんなことを思った。