「ぶたさんみたいなピンク」


赤ちゃんには、変に凝っていない、赤ちゃんぽい色の服がよく似合う。産まれた子は女の子なので、ついついこういううすいピンクの服や小物ばかりを集めてしまう。昔大学のサークルの女の先輩が、こういうピンクの事を「ぶたさんみたいなピンク」って表現してて、なんかかわいいなあと思ったことを思い出す。

赤ちゃんのいる生活が始まった。私自身は何にも変わってないよ。でも、抱っこして、授乳して、オムツ替えて、沐浴させて、そんなことしてる私を誰かが見たら、もうすっかりお母さんしてるみたいに見えるんだろうか。

娘は予定日の2週間前に産まれたにもかかわらず3000gちょっとあって、髪の毛もふさふさだった。当たり前だけど、小さな指先1本1本に、きちんと爪も生えていて、こんなちゃんと人間の形をした赤ちゃんが、自分のお腹の中に入っていたなんて、不思議で。

今もまだ、不思議。妊娠してからこれまでに色んな不安があったけれども、こうして母子ともに無事で、産まれてきてくれたこと。どっしりとよく眠り、お腹をさわれば温かく。週を追うごとに食欲が増し、泣き声も大きくなり、私の肉体疲労は蓄積してゆく一方だけど、でも、寝顔を眺めていると、こんなにも幸せなこと。