カウントダウン


計画無痛分娩で、再来週産む予定を組んでいたのが、来週に早まることになった。赤ちゃんの心拍と胎動をはかる検査をしたらあまり元気がなかったのと、私自身も血圧が高くなってきて、早く出したほうがいいと先生に言われてしまったのだ。

急にあと数日で出産することになって、気持ちがまだ追いつかない。私、お母さんになるんだな。びっくりだ。

もう37週をすぎて、いつ産まれても大丈夫、というところまでは来た。子宮口が開いていて、早産の恐れがある、と言われてから2ヶ月。無事ここまで来れて、よかったな。里帰りしてからは、ずっと自宅安静で、横になってばかりいた。静かで退屈な日々だった。でもまあ、穏やかな日々でもあったかな。

SNSを見るのをすっかりやめて、それはよかったと思っている。一足早く、近しい友達にも赤ちゃんが生まれて、SNSにアップされた写真に数百のイイネ!が集まっているのを見て、私もぽちっとイイネを押して、それから、見るのをやめた。気持ちが数値で可視化されて、それが評価につながるような、そういう土俵に、自分というか、生まれてくる赤ちゃんをあげるのは、やめようと思ったのだ。私は弱いから、どうしても人と比べてしまうだろう。そんなの赤ちゃんには関係のないことなのに、かわいそうだもんね。自分の物差しを信じて、子育てできればいいな。

37週をすぎたら、お腹の張りをおさえる薬も、もう飲まないでいい。子宮口がまだカッチカチの人なんかは、むしろお腹をどんどん張らせて、お産を促進させたほうがいいらしい。私ももうどうにでもなれ!という感じで、今日は久しぶりに朝から夕方まで出かけた。と言っても車に乗ったり、椅子に座ったりしてる時間が大半だったのだけど、こんなに長い時間横になっていないのは、久しぶりだった。

案の定お腹はずっと張り張りで、ちょっと苦しいし心配になったけど、デパートのおいしいレストランで両親とランチして、よそゆきのベビー服も買ってもらって、気持ちはすっかり満たされた感じ。思い残すことは、もうないかな。いや、でも、焼肉も食べときたいなあ。ベビー服もほんとはもうちょっと、見たかった。まだ数日あるから、実現できることはさせときたい。

無痛なので、痛みへの恐怖は少なくて、まだよかった。生まれたらあとはもう、目の前の現実と向き合うだけだ。いっぱいいっぱいで、余白のない日々も、それはそれでいいんじゃないか。今までが余白がありすぎた気がする。

楽しみだな。早く会いたいな。無事に元気で、生まれてきてね。待ってるよ。