心にうつりゆくよしなしごと


眠れなくて、表題の通り、さまざまなことが絶え間なく思い浮かんでは消えてゆくので、それをそのまま書きつけてみようかと思った。

たららん。るんるん。みたいな言葉を書きたくなる時はきっと、機嫌がいい時だ。今、そんな風に書き出したくなったのできっと、機嫌がいい。こんな気持ちがずっと続いてほしい。というか、ほんとうはこんな夜の、こんな瞬間がずっと続いてほしい。最近は、未来が怖くて、寝る前に、夫とどうでもいいことを話して軽く笑いあい、おやすみと言って、そのうちに夫の寝息が聞こえて、そういう時間が幸せで、寝るのが怖くなる。朝が来てほしくない。こんなのは健全な気持ちじゃないよね。わかっている。色々な結果が出ないで欲しくて、このまま、ぬるま湯みたいな時間にずっと、つかっていたい。

秋が、長い。というか、思いのほか、中途半端な気候が長い。朝出社する時間はとても寒いけど、午後退社する時間は暖かい。そして会社の中は暑い。うちわをあおぎたくなるくらい。だからいつも服装に困る。なかなかニットが着られない。

毎年、こんなだったっけ。こういう時期、こんなに長かったっけ。なんてことを昼休みに話していたら、「この県はそうなんですよ。」とのことで、やっぱり、地域的なことも関係しているみたい。東京より、だいぶ暖かいみたいだ。

確かにここはやたらに空が広くて、太陽がびかびかと照りつけるように感じられて、それは東京みたいに高い建物もそんなにないし、建物どうしもびっちりと詰まっていないからそんな風に感じるのかな、なんて思ってた。

半端な気候の時期は、今まではなんとなくパーカーでごまかしているうちにいつの間にか過ぎていったから、春ものや秋ものの服はあまり持っていなかったけど、今、めっちゃ必要性を感じて、ネット通販で買いまくってしまっている。店舗に並んでいるのはもう冬ものばかりで、必要な時にはないんだからずれている。

で、今日は、夜に近くで開催されているお祭りに行ってきて、午後陽が出ているうちは上記の感じで暖かかったのに、陽が沈んだ途端、ほんとうに寒くなってびっくりした。体がふるえて、歯ががちがちしてくるほどで、長く外にいるのは厳しかった。でも、2時間半くらいはなんとか頑張った。

山車がたくさん出ていて、山車の上には太鼓を叩いている人や笛を吹いている人が大勢乗っているのだけど、太鼓を叩いている人は明らかに気持ちよさそうなドヤ顔だったし、笛を吹いている人は、伏し目がちだけど、でも明らかに陶酔した、ナルシーな雰囲気が漂っていたりした。上に乗って音を鳴らすの、楽しそうだなあ。で、このお祭りは、なんか2台の山車が正面からぎりぎりまで接近して、対決する、みたいなのがあちらこちらで行われていて、見届け人みたいな人が、勝敗を判定するのだけど、私が見た2勝負は両方とも引き分けで、一体何を基準に勝敗を決めているのか、それとも対決という体裁は一応とるけど、もめないように全部引き分けにしているのか、何だかよくわからなかった。でも、夜の街に浮かびあがる山車と音楽は、ただ見ているだけで神秘的で、ぞくぞくするくらい、楽しい。



1年前、この街に引っ越してきたばかりの時にも、このお祭りに来た。その時はまだ、海外から大きな荷物が届いていなかったんだよね。ベッドとか、ソファとか。お皿や鍋類がなかったのも地味にきつかったな。リビングの床に布団を敷いて寝ていて、万年床状態だったし、なんか生活を整える気概が全然わかなかった。というか、新しいものも買えないし、どうしようもなかった。そんな中で、お祭りを見て、ああ、日本に帰ってきたなあ、としみじみ思った。あれから1年。あっという間だったけど、色々な心の動きがあった。

この辺は東京と違って、なんか頻繁に、あちこちでお祭りが開催されている気がして、週末などたいしてほかに行く場所がないのもあって、私たち夫婦は、結構3ヶ月ごとくらいにコンスタントにお祭りに行っている。で、缶ビール片手に、屋台の食べ物を、つまんで歩く。500円だと高いから、もうちょっと安いの。となると、いつも食べるものは似通ってくる。焼き鳥、ジャガバター、エトセトラ。でも、こういう食べ物が、私たちは好きで、毎度飽きずに食べている。30代のいい大人たちが。きっと40代になっても、50代になっても、同じことをしている気がする。そのくらいの年齢になっても、寝る前にどうでもいいことをおしゃべりして、笑いあっていられるかなあ。

屋台で私はお腹いっぱいになったのに、夫は足りないとか言ってすき家の牛丼(しかも大盛り。私も食べられるようにとか言って)を買って帰る。でも、冷えきった体で家についたら、暖をとりたくてベッドに飛び込んでしまい、ふたりともそのまま寝てしまった。で、23時、目が覚めた。もう牛丼は食べれない、とか言ってる夫。買ってきた牛丼をそのまま冷蔵庫に入れておいたら、きっとご飯が乾いてまずくなっちゃうよう。と思って、そのまま冷凍してみることにした。ネットで同じようなことをしてる人がいて、大丈夫かなって。

と、ここまで書いてみて、ほとんどただの日記になった。長めの日記。普段と違うところに出かけると、普段見ないものを見るから、あたらしく感じることが多くなる。そこから更に過去や未来や、色々なことが想起されて、あちらこちらに枝分かれして、頭の中が忙しくなる。それで、こんな風に、眠れなくなる。こういうこと、よくあるんだ。今日は頑張って、頭の中をおおかた書き尽くした。満足して、やっと、寝ます。